クスシキ (KUSUSHIKI)
クスシキ
Mrs. GREEN APPLE
ミセス・グリーン・アップル
のかなルビと歌詞和訳
『クスシキ (KUSUSHIKI)』はMrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)のJ-Pop楽曲です。 不思議な縁や愛の複雑さ、言葉の力をテーマにした叙情的な歌詞と独特のメロディで多くのリスナーを魅了しています。 このページでは、原文歌詞、カナルビ(発音ガイド)、日本語訳を一緒に紹介し、歌詞の意味や背景も解説します。
摩訶不思議だ
とても不思議だよ
「摩訶」はサンスクリット語由来で「とても大きい」という意味
ことだまはまことか
言霊は誠か
言葉の力って本当なのか
「言霊」は言葉に宿る力や魂のこと。日本の古来信仰に基づく概念
いつわってるやつは
偽ってる彼奴は
嘘をついたあの人は
「彼奴」は「あいつ」という意味の古い表現
てんにおちていった
天に堕ちていった
落ちぶれたって
「天に堕ちる」は地位や名誉を失うことを意味する
ってきいたんだけども
って聞いたんだけども
聞いたけれど
やつはどうも
彼奴はどうも
でもあの人は
みんなにあいされてたらしい
皆に愛されてたらしい
みんなから愛されてたみたい
感じたい思いは
感じたいって思いがあるから
ゆえにじゆうじざいだ
故に自由自在だ
感情は自由に動くんだ
「故に」は「だから」という意味の文語表現
くしきじゅつからてんじた
奇しき術から転じた
不思議な縁から生まれた
「転じる」は「変化する、転化する」という意味
まほろば
まほろば
素敵な場所
「まほろば」は理想郷や素晴らしい場所を意味する古語
「あなたがいる」
「あなたが居る」
「あなたがいる」
それだけできょうも
それだけで今日も
それだけで今日も
いきるいたみをおもいしらされる
生きる傷みを思い知らされる
生きる痛みを感じるんだ
「思い知らされる」は強制的に認識させられること
愛してるとごめんねの差って
「愛してる」と「ごめんね」の差は
愛の告白と謝罪の大きな違いを表現
まるでつきとたいようね
まるで月と太陽ね
まるで月と太陽くらい離れてるよ
月と太陽のように対極にある関係性の比喩
またあしたあえるからいいやって
また明日会えるからいいやって
「また明日会えるから大丈夫」って
なにひとつまなびやしないたましいも
何一つ学びやしない魂も
何も学ばない僕の心
貴方をまた想う
あなたのことをまた思い出す
こんせいも
今世も
この世でも
「今世」は仏教的概念で、現在の人生のこと
奉仕だ
何かしてあげるより
「奉仕」は人のために尽くすこと
こうしたいとかより
こうしたいとかより
どうしたいかより
こうしてほしいがききたい
こうして欲しいが聞きたい
どうしてほしいか聞きたいんだ
おもいのほか じぶんじくのせかい
思いの外 自分軸の世界
思ったより自分中心で
「思いの外」は予想以上に、「自分軸」は自分中心という意味
いっしゅうはんまわったあいをくらいたい
一周半廻った愛を喰らいたい
世界を何周もした愛に飢えてる
「喰らいたい」は強く欲することを表す表現
わたしにきくくすりはどこだ
私に効く薬は何処だ
僕を治す薬はどこにあるの
馬鹿に言わせりゃ
バカな人が言うには
「言わせりゃ」は「言わせれば」の口語表現
このよはごくらくだ
この世は極楽だ
この世は天国みたいだって
「極楽」は仏教用語で理想的な世界、天国を意味する
しょうじきになれない
正直になれない
正直になれない
わたしはいつか
私はいつか
僕はいつか
すなおになれるあのこにきっと
素直になれるあの子にきっと
素直になれるあの子に
いろいろとおくれてはうばわれる
色々と遅れては奪われる
いろんなことで負けちゃうんだろうな
愛してると大好きの差って
「愛してる」と「大好き」の違いは
まるでつきとげつめんね
まるで月と月面ね
月とその表面くらい近いようで違うよ
月とその表面(月面)は物理的には近いが性質は全く異なるという比喩
またのんだことばがめをだして
また呑んだ言葉が芽を出して
心に残った言葉が芽を出して
言葉を飲み込み(心に留め)、それが成長する比喩
からだのなかにずっとのこれば
身体の中にずっと残れば
体の中にずっと残ってくれたらいいのに
気づけば拗れる恋模様
気づいたらもつれた恋の形
「拗れる」は複雑になる、こじれるという意味
めくれば次の章
ページをめくると次の章
人生や物語の進展を本のページをめくる行為に例えている
いしになったあなたのうたを
石になった貴方の歌を
石みたいに固まったあなたの歌を
「石になった」は固定化された、変わらなくなったという意味
くちずさんであるこう
口ずさんで歩こう
口ずさみながら歩こう
ひとりじゃないってわらおう
ひとりじゃないって笑おう
一人じゃないって笑おう
ぶあつめのつぎのほん
分厚めの次の本
厚い次の本みたいに
これからの長い人生を分厚い本に例えている
やまいになったわたしのうたを
病になった私の歌を
病みつきになった僕の歌を
「病になる」は習慣化する、執着するという意味
くちずさんであるこう
口ずさんで歩こう
口ずさみながら歩こう
ひとりのよるをあるこう
ひとりの夜を歩こう
一人の夜道を歩いていこう
愛してるよ
愛してるよ
ごめんね
ごめんね
ごめんね
じゃあね
じゃあね
さようなら
まるでよるのたいようね
まるで夜の太陽ね
夜に太陽があるみたいに不思議だね
「夜の太陽」は矛盾した存在、現実にはありえないものを表現
くすしきじかんのながれで
クスシキ時間の流れで
不思議な時間の流れの中で
「クスシキ」は「奇しき」(不思議な、偶然とは思えない)を意味する
たいせつをみつけたたましいも
大切を見つけた魂も
大切なものを見つけた心も
貴方をまた想う
あなたのことを思うよ
らいせも
来世も
次の人生でも
「来世」は仏教的概念で、次の生まれ変わりのこと
タイトル『クスシキ (KUSUSHIKI)』の意味
「クスシキ」というタイトルは日本語の「奇しき」を意味しています。「奇しき」とは不思議な、偶然とは思えない縁や出来事を表す言葉です。この曲では言葉の持つ力(言霊)や愛の複雑さ、人と人との不思議な縁をテーマにしていることから、このタイトルが選ばれています。
歌詞中でも「クスシキ時間の流れ」という表現が登場し、時間の中で人との縁や関係性が紡がれていく様子を表現しています。「奇しき」という言葉をあえてカタカナで表記することで、日常の中にある不思議さや縁の神秘性を強調しているのです。
曲の解説
Mrs. GREEN APPLEの「クスシキ」は、2025年4月5日にリリースされた曲で、言葉の力と愛の複雑さを主題にしています。
曲全体を通して「言霊」という日本の古来から続く概念が取り入れられており、言葉に宿る力や魂について探求しています。「愛してる」と「ごめんね」、「大好き」の違いなど、言葉の持つ微妙なニュアンスの差を月と太陽、月と月面といった宇宙的な比喩で表現しています。
また、現世と来世という概念も登場し、永遠の愛や縁の連続性についても触れています。Mrs. GREEN APPLEらしい叙情的な歌詞と独特のメロディラインが織りなす作品で、多くのリスナーの心に響いています。
特殊な表現やスラングの解説
言霊(ことだま):言葉に宿る力や魂のこと。日本の古来信仰に基づく概念で、言葉には物事を動かす力があるという考え方。
まほろば:理想郷や素晴らしい場所を意味する古語。万葉集などの古い日本文学にも登場する言葉。
奇しき(くしき):不思議な、偶然とは思えない縁や出来事を表す言葉。「クスシキ」はこの「奇しき」を音で表したもの。
月と太陽/月と月面:対比的な比喩表現。「月と太陽」は遠く離れた対極的な存在、「月と月面」は表面上は近いが実際には性質が異なるものを表す。
今世/来世:現在の人生と次の生まれ変わり後の人生を意味する仏教的概念。永遠の愛や縁の連続性を表現。